vol.22 正月飾り
しまぬ自慢, 奄美大島“Amami”はイタリア語で「私を愛して」という意味。
そう、奄美には愛さずにはいられない魅力が溢れています。
自然、食、人etc.、愛すべき奄美の魅力を島人の目線でお届け…
vol.19 つむぐ夜
しまぬ自慢, 奄美大島“Amami”はイタリア語で「私を愛して」という意味。
そう、奄美には愛さずにはいられない魅力が溢れています。
自然、食、人etc.、愛すべき奄美の魅力を島人の目線でお届けします。
奄美の文化を語るうえで欠かせないものに、大島紬があります。
泥染めと、テーチギ染めを気が遠くなるような回数くりかえし、織子さんたちによって織りあげられる、美しく強く、そして身にまとうととても動きやすい稀有な織物です。
シマの女性たちは母や姉から織り方を習い、畑仕事の傍ら機織りをしていました。機織りはシマ唄にもよく登場し、人々の生活に深く根ざしたものだったことが伺えます。
大正の頃から戦前まで、笠利町の集落では9月から12月にかけて紬の競争織りが行われていました。農閑期のシマの乙女たちが機織りを競った年中行事のようなものです。
これは夜業(ヨナビ)と呼ばれる夜仕事で、夜になるとあちこちの家から機織りの音が響いていました。親はイモやオジヤを炊いて娘に食べさせたりして応援したそうで、まるでちょっとしたお祭りのようですね。
青年団が2つの組を作り、奨励役員がものさしを持って娘たちの家を回りました。1日で何尺織ったのかを帳面につけ、今日はここまで織れたという印を判子でつけていったといいます。
紬は柄によってかかる手間がまるで違うので、その結果は単純に織った長さではなく、織り賃によって判断されました。難しい柄なら織った長さが短くてもポイントは高いわけです。
結果発表は旧正月。買った組にはそうめんとお酒が贈られました。
さてさて、乙女たちがヨナビをしているところには、青年たちがやって来て「励まし」をするトゥギという習慣がありました。集まれば唄のひとつも出たことでしょう。
シマ唄の世界そのものですね。織った長さを測りに行った青年たちも、どうやらお目当ての女性がいたようで、むしろそちらが目的だったとか(笑)
こらこら、青年団。そっちかい!
なんというか、奄美は意外にラテンです。
独身男性が、夜の道で三味線を弾き、意中の女性を誘い出す習慣もあったそうで、まるでメキシコのセレナーデ!(メキシコではバレンタインデーなどの夜に愛する女性の家の前で唄う習慣があり、愛と勇気の象徴とされています。)
当時、機織り上手はいい嫁の条件のひとつで、トゥギをする中で結婚相手を見定めたりしていたようです。婚活の意味合いもあったわけですね。
でも、他の人より速く多く織りたいと頑張っているところに、集まって飲んだり唄ったりされてるのってどうなんでしょう?私なら1人の方が集中できてはかどりそうな気がしますが、そんなこと言ってるとモテなかったんでしょうね(笑)
私はいき遅れそうです。
さて、今回の共通歌詞は、
「遠方(あがんと)から此処(くま)に遊びしがいもし 夜(ゆ)さり夜(ゆ)や此処(くま)に遊(あす)でぃたぼれ」
遠いところからここに、よくぞ遊びに来てくれました。
どうぞここで夜が明けるまで遊んで行ってください。
こちらも、とてもスタンダードな共通歌詞です。遊ぶ、というのは概ね唄遊(うたあし)びをさします。唄の島奄美らしい表現ですね。
夜通し唄を掛け合うことは、そんなに珍しいことでもなかったようですよ。
Es…
vol.17 さねん秋色
しまぬ自慢, 奄美大島“Amami”はイタリア語で「私を愛して」という意味。
そう、奄美には愛さずにはいられない魅力が溢れています。
自然、食、人etc.、愛すべき奄美の魅力を島人の目線でお届けします。
月桃という植物をご存知でしょうか?
島ではサネンと呼ばれ、庭にはもちろん、島のいたるところに自生する身近な植物です。
英名をシェルジンジャー。ショウガの仲間です。ランのように華やかな満開時よりも、白い小さな貝にちょこんと紅をさしたようなつぼみの姿のほうがよく知られているのではないでしょうか。
この月桃、梅雨のころに花を咲かせ季節の風物詩になっていますが、島外の方がその後の姿を見る機会は、そう多くありませんよね。
花の終わった月桃がどんな姿なのか。
まず、夏の頃にはピンクのフリルを付けた若々しい青い実がなります。
そして秋。
サシバの鳴く頃になると、その実が真っ赤に熟してこんなに美しくなります。
花も実も美しい月桃ですが、私はどちらかといえば、実の方が好きです。
秋とはいえ、日中には夏日が続き、紅葉とも無縁な奄美において、鮮やかすぎず思慮深い赤が連なる月桃の実は、私のイメージする秋そのもの。
切って来て飾れば部屋の中にも秋を呼び込めます。
そして、この月桃の実は嬉しいことにお茶になります。実を乾燥させて煎じれば、月桃特有のスパイシーな香りのお茶のできあがり。
ショウガの仲間だけあって、そのお味はマイルドなジンジャーティーのようです。
まーぐん広場・赤木名…
vol.14 奄美の八月踊り
しまぬ自慢, 奄美大島“Amami”はイタリア語で「私を愛して」という意味。
そう、奄美には愛さずにはいられない魅力が溢れています。
自然、食、人etc.、愛すべき奄美の魅力を島人の目線でお届け…
vol.09 春の海辺とお魚バーガー
しまぬ自慢, 奄美大島“Amami”はイタリア語で「私を愛して」という意味。
そう、奄美には愛さずにはいられない魅力が溢れています。
自然、食、人etc.、愛すべき奄美の魅力を島人の目線でお届けします。
年間平均気温が20℃と温暖な気候の奄美大島ですが、ずっと住んでいると体が慣れてしまうのか、やっぱり2月3月は寒いと感じる日々が続きます。
時折おとずれる小春日和に、ささやかな幸せを感じる今日この頃。
今回は、そんな島の小春日和にオススメしたい、笠利町・赤木名海岸のお散歩コースをご紹介します。
伝泊「港と夕陽の見える宿」からも近い赤木名海岸は、昔は奄美大島の「海の玄関口」として栄えた場所。
今は、漁船が出入りしている静かな港ですが、ひと昔前は、この港から小さな小舟を出し、沖で待つ大きな船に荷物や人をのせたりしていたそうです。
白く続くゆるやかな海岸線と、遠くに見える「赤木名立神」のフォルムが美しい、心落ち着く海岸です。
さっそく浜辺へ向かいたいところですが、まずは「散歩のお供」を探しに、赤木名漁港へ向かいましょう。
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