【初めての加計呂麻島】旅行前に押さえるべき11のヒントと気をつけたいこと


奄美大島の南端から船で約20分。
離島のさらに離島に位置する自然豊かな秘境、加計呂麻島(かけろまじま)。

透明度抜群の「加計呂麻ブルー」と呼ばれる美しい海に囲まれ、手つかずの自然が広がるこの島は、都会の喧騒を忘れ、ゆったりとした島時間を過ごせる特別な場所です。

また、都会のような物や流行がほとんどないからこそ、必要なもの・ことに目を向ける「心の豊かさ」を感じ、心が満たされる場所でもあります。

そんな加計呂麻島の魅力を存分に味わい、旅をより充実させるには、ちょっとした準備と加計呂麻島の知識や魅力を前もって知っておくことが必要です。

加計呂麻島の魅力を感じるエピソード紹介から、フェリーや海上タクシーの乗船、島内の移動手段、おすすめの食事処まで——
この記事では、加計呂麻島を訪れる方に向けて、初めての加計呂麻島旅に備えて知っておくべき情報をお届けします。

 

加計呂麻島とは?はじめに知っておきたい加計呂麻島の「基本」

加計呂麻島とは

手つかずの自然と穏やかな島の暮らしを体験でき、「奄美大島最後の秘境」として知られる加計呂麻島。
加計呂麻島の面積は約77平方キロメートル、人口は約1,100人ほどの小さな島ですが、その魅力は計り知れません。

リアス式海岸の複雑な地形が特徴的で、「加計呂麻ブルー」と呼ばれる透明度の高い海が有名です。
その海に魅了されて何度も加計呂麻島を訪れる旅行者も少なくありません。

島には30もの小さな集落が点在し、独特な島時間が流れる「神の島」、「唄の島」などとも言われてきました。
日本の原風景が残された島として、「にほんの里100選」にも選ばれています。

伝泊スタッフが感じる加計呂麻島の魅力

豊かな自然に囲まれ、ゆったりとした島時間が流れている加計呂麻島。
そんな加計呂麻島の魅力に触れて、「また加計呂麻島に行きたい」と実際に何度も訪れる方も少なくありません。

伝泊のなかにも、加計呂麻島に何度も足を運ぶスタッフがいます。
「加計呂麻島のここがいい」と魅力に感じる点は訪れた人それぞれですが、ここでは実際に加計呂麻島に訪れた伝泊スタッフが感じた加計呂麻島の魅力エピソードを紹介します。

魅力エピソード① 加計呂麻島の集落住民から「心の豊かさ」を感じる

加計呂麻島には、日常に「心の豊かさ」を感じるシーンがたくさん散りばめられています。

例えば、集落内の家々の生垣は常に整えられており、習慣的に清掃が行われているため集落の道や周辺の海岸は美しい景観が保たれている須子茂集落。

にほんの里100に選ばれたこの集落では、造園屋などが整えているのではなく、この集落に暮らすおじ・おばが生垣の剪定や掃き掃除を定期的に自ら行うことで、集落の美しさが受け継がれています。
自分たちが暮らす集落の自然環境や景観を自ら大切にしている姿や、日々の生活の中で自分の生活以外に思いやることができる心の余裕に、心が大きく動きました。

魅力エピソード② 困ったら力になり支え合う。優しさと温かさにあふれるたくさんの場面

加計呂麻島に滞在していると、「誰か困っている人がいたら力になり支え合う」シーンに出会う時があります。

例えば、たまたま出会った集落のおじに「おすすめのスポットや場所があるか」聞いてみたところ、おすすめのスポットを教えてくれるだけに留まらず、おすすめのポイントやその場所への行き方、他のおすすめスポット、その他島での色々なエピソードやおすすめ情報を教えてくれました。
初対面にも関わらず、親身になって色々と情報を教えてくれるおじの優しさに感銘を受けました。

また、加計呂麻島に暮らしていると、日常の「小さな困ったこと」を集落住民で助け合うシーンもよく見ることができます。

例えば、家の高い所に設置された電球交換や体力を使う草刈りが自分では難しいおばが、近くに住む若い男性に連絡をしたら、その男性が代わりに作業をしてくれたシーンに出会ったことがあります。
それぞれができることで支え合って生活している姿に、心の穏やかさや温かさを感じました。

あなたならではの”推しポイント”を見つけてみては

これから紹介する交通手段や食事、準備物など最低限の準備をした上で加計呂麻島旅を迎えることができたら、思わぬ出来事や出会いを楽しむ余裕も生まれるはず。

紹介した魅力エピソードは、ほんの一部に過ぎません。ぜひあなたならではの加計呂麻の”推しポイント”を見つけてみてもらえたら。

 

宿泊日数の目安は?加計呂麻島の広さ

加計呂麻島は小さな離島ということもあり、「1日で島を一周できる」というイメージがある方もいるでしょう。
しかし、加計呂麻島は意外と広く、1日で島を一周するのはもちろん、複数の観光スポットに訪れるには時間が足りないほど。

加計呂麻島の観光スポットやビーチは島のあちこちに点在しており、北から南まで全ての観光スポットを1日で周遊するのは大変です。
また、リアス式海岸であることから、カーブが多い海岸沿いの道路や山道を車で移動する必要があり、距離がそこまで遠くなくても移動時間がかかるという場合が多いです。
複数の観光スポットを訪れたい方や、島時間をゆっくりと過ごしたい方は、2泊以上の滞在がおすすめです。

船の事前予約は必要?加計呂麻島へのアクセス

奄美大島から加計呂麻島へのアクセスには、町営フェリーの「フェリーかけろま」もしくは海上タクシーを利用します。

フェリーを利用する場合

「フェリーかけろま」を利用する場合、人のみが乗船する場合には事前予約は必要ありません。
しかし、車を乗せる場合は事前予約が必要です。車の事前乗船予約は、乗船日の1週間前から古仁屋待合所にて電話で予約することができます。

運賃を確認する/ 瀬戸内町HP 「フェリーかけろま」の待合所を確認する/ 一般社団法人 奄美せとうち観光協会

※出航時刻の10分前には港に到着し、乗船券の購入を済ませておくようにしましょう。瀬戸内町の安全規定によると、安全に乗船していただくため出航1分前での乗船はできません。

海上タクシーを利用する場合

人のみで加計呂麻島へ渡る場合は、海上タクシーも利用できます。
フェリーと同様、海上タクシーも事前予約は不要です。

注意してほしい点として、海上タクシーは12人乗りと、フェリーよりも定員数が少ないです。
また、海上タクシーは加計呂麻島に住む住民優先で運航しています。

そして、乗船する人が集まり次第、出発時間よりも前に出発することがあります。出発時刻の15分前には、待合所にて待機するようにしましょう。

時刻表/運賃を確認する/ 一般社団法人 奄美せとうち観光協会

海上タクシーの待合所を確認する/ 一般社団法人 奄美せとうち観光協会
※「フェリーかけろま」と乗り場が異なります。

天候によっては欠航の恐れがあり?

大雨や強風、雷、台風など天候や、メンテナンスの影響で欠航する場合があります。運行状況はこまめに確認しましょう。出発日や加計呂麻島に訪れる前日、当日には、瀬戸内町の公式SNSや古仁屋港の待合所に運行状況をご確認ください。

●古仁屋待合所
Tel. 0997-72-3771

瀬戸内町営定期船運航情報公式X(旧Twitter)

 

備えあれば憂いなし!7つの旅マエの事前準備

ここでは、加計呂麻島を旅する前に知っておきたいヒント7つをお伝えします。「知らなかった!」で加計呂麻島旅が予想外のトラブルに繋がる可能性も?
事前準備をして加計呂麻島旅を充実させましょう!

フェリー/海上タクシー編

hint①奄美大島で借りたレンタカーはフェリーに乗せられない!?オススメのレンタカー店

奄美大島から加計呂麻島へ移動する際に、「奄美大島で借りたレンタカーを加計呂麻島でもそのまま利用したい!」と思う方もいることでしょう。
しかし、フェリーを利用して加計呂麻島へレンタカーで渡ることを禁止していることが一般的です。そのため、奄美大島で借りたレンタカーは、古仁屋港の駐車場に停めておくか、乗り捨てる方法をおすすめします。
ここでは、古仁屋港で乗り捨て可能なレンタカー店、加計呂麻島内のレンタカー店を紹介します。

|奄美大島:奄美空港→古仁屋港で乗り捨て可能なレンタカー店

《くろうさぎレンタカー》

奄美空港で車をレンタルし、古仁屋で乗り捨て可能です。
また、古仁屋には伝泊の無料駐車場もご用意しています。「奄美大島に戻ってきてからも引き続きレンタカーを使いたい」という方は乗り捨てをせずに、古仁屋の無料駐車場をご利用ください。

くろうさぎレンタカー /公式HP

 

|加計呂麻島:島内のレンタカー店

《島のレンタカーかけろま》
到着する港が瀬相港の方におすすめしております。
島のレンタカーかけろま /公式HP

《サウスシーサービス》
到着する港が生間港の方におすすめしております。
サウスシーサービス /公式HP

《うみがめレンタカー》
到着する港が生間港の方におすすめしております。
うみがめレンタカー /公式HP

 

加計呂麻島内の移動手段編

hint②移動手段は「レンタカー」がおすすめ

前述したように、小さいけれど、加計呂麻島は意外と広い島です。加計呂麻島を訪れた方は口を揃えて「思ったより大きい島だった」と言います。

複数の観光スポットを訪れたり、どうしても訪れたいビーチに足を運んだりなど、アクティブに旅をしたい方はもちろん、どんな旅の目的であっても、加計呂麻島でレンタカーを借りて移動するのが最適です。

加計呂麻島を含む奄美群島は天候が不安定で、天気予報では晴れだったのに急に雨が降ることもよくあります。急な天候変動や不測の事態にも対応できるので、レンタカーを借りることを強くおすすめしています。

|加計呂麻島:島内のレンタカー店

《島のレンタカーかけろま》
到着する港が瀬相港の方におすすめしております。
島のレンタカーかけろま /公式HP

《サウスシーサービス》
到着する港が生間港の方におすすめしております。
サウスシーサービス /公式HP

《うみがめレンタカー》
到着する港が生間港の方におすすめしております。
うみがめレンタカー /公式HP

 

hint③レンタカー以外にバス・E-Bikeレンタルも利用できる

加計呂麻島にはバス「加計呂麻バス」も運行しています。
免許がない方、訪れたい観光スポットが少ない方、バスの運行ルートと旅の目的地が重なっている方は、バス利用も選択肢に入れても良いかもしれません。

また、加計呂麻島側の港、瀬相港・生間港にてE-Bikeのレンタルもあります。目的地や所要時間、旅のスケジュール、天候などを踏まえて「レンタルできたらレンタルする」心持ちをおすすめしています。

加計呂麻バスの時刻表を確認する / 加計呂麻バスHP E-Bikeレンタル / 瀬戸内町HP

 

食事編

hint④加計呂麻島の飲食店事情を知っておく

加計呂麻島は都会とは異なり、カフェや居酒屋など飲食店の数は限られています。また、不定休のお店も多いです。ゆったりとした島時間が流れる加計呂麻島を楽しむためには、加計呂麻島に合わせて旅をすることが大切なポイントの一つです。

都会で過ごしている時のように「前日でも何とかなる」「当日滑り込みで利用できる」という考えは一旦置いて、事前に飲食店の情報をしっかり調べたり、前もって電話で予約したり、食事場所を確保しておきましょう。

|現地スタッフおすすめの飲食店

店名ジャンルエリア名最寄りの伝泊の宿連絡先お店情報URL
かなめちゃん居酒屋諸鈍(しょどん)リリーの家080-5246-5657https://www.instagram.com/kanamechan_kakeroma/
かけろまカフェカフェ諸鈍(しょどん)リリーの家0997-76-0676https://kakeromacafe.jimdofree.com/
花りんデリバリー須子茂(すこも)海みる屋根の宿070-6980-9987なし
TikiCafeカフェ須子茂(すこも)海みる屋根の宿090-5686-1058https://www.instagram.com/tiki_cafe_mochiko/
Mocca レストラン西阿室(にしあむろ)※各宿にデリバリーも可能070-2829-9984https://kakeromamocca.com/restaurant/
庭園カフェカフェ西阿室(にしあむろ)090-4397-0603https://kakeromamocca.com/restaurant/
カフェゆいゆい食堂実久(さねく)090-2665-5226https://www.instagram.com/saneku.yui/?hl=ja
かけろまの森マーサレストラン嘉入(かにゅう)海みる屋根の宿070-4405-6203https://marsa.shopinfo.jp/
太陽の島カフェカフェ薩川(さつかわ)090-5395-4308https://www.instagram.com/taiyonoshima_cafe/
南国居酒屋瀬相(せそう)しまゆらう縁の宿
素と露天の宿
080-9713-5787https://www.instagram.com/nangoku_vanny/
たづき食堂瀬相(せそう)しまゆらう縁の宿
素と露天の宿
090-7984-0929https://tabelog.com/kagoshima/A4605/A460502/46012144/

https://maps.app.goo.gl/YvMBtoAVfYNCg3nX7

のら珈琲&のらワークカフェ表(おもて)しまゆらう縁の宿
素と露天の宿
090-4428-6171https://www.instagram.com/nora_coffee_2022/

hint⑤事前に食材調達がオススメ!

加計呂麻島には個人商店が点在していますが、スーパーやコンビニはありません。フェリー乗り場の古仁屋港近くにはスーパーやコンビニがあるので、フェリー乗船前に買い出しをすることをおすすめします。

伝泊の宿には台所や調理器具が揃っています。飲食店が予約できなかった時は、台所を使ってみんなで料理や古民家での食事を楽しむのもおすすめです。

伝泊の台所や調理器具を確認したい方はこちら
※調理器具など設備の詳細については、各古民家の宿の客室紹介ページからご確認いただけます。

準備物編

hint⑥事前にある程度スケジュール・旅程を決めておく

前述したように、加計呂麻島は意外と広く、目的地から次の目的地への移動には時間がかかります。船の時間が決まっていることや、不慣れな海岸沿いや山道とカーブが多い道路を運転することなどを想定して、あらかじめ旅程を事前にある程度決めておくことをおすすめします。

奄美せとうち観光協会が発行しているガイドブックやGoogle Mapを参考にしましょう。
ガイドブック / 一般社団法人 奄美せとうち観光協会

 

hint⑦あらかじめ現金を用意しておく

加計呂麻島では現金の使用が一般的。クレジットカードや電子マネー、PayPayなど電子決済が使える場所は限られています。

加計呂麻島に渡る前に、必ず現金をご用意ください。奄美大島にはコンビニや郵便局、地方銀行などが古仁屋港に行くまでの道のりでたくさんあるので、途中で立ち寄ることをおすすめします。

理想の島旅を過ごすために。4つの旅ナカの予備知識

ここでは、加計呂麻島を旅する際に「事前に知っててよかった!」と実際に旅行者から聞いた4つのヒントをお伝えします。

前述した7つのヒントと合わせて知っておくことで、不測の事態・緊急事態にも備えることができ、加計呂麻旅を充実させることにもつながります。

天候編

hint⑧天候不良で運休になる可能性を知る

大雨や強風、雷、台風など天候や、メンテナンスの影響で欠航する場合があります。
滞在中は天気予報やフェリーの運行状況をこまめに確認し、「早めに奄美大島に戻る」「もう1泊加計呂麻島に延泊する」など、柔軟な行動・旅程を心がけましょう。出発日や加計呂麻島に訪れる前日、当日には、瀬戸内町の公式SNSや古仁屋港の待合所に運行状況をご確認ください。

古仁屋待合所:Tel. 0997-72-3771
瀬戸内町営定期船運航情報公式X(旧Twitter

hint⑨「もしも」の事態に備えた予備の旅グッズを準備する

加計呂麻島の旅では予期せぬことが起こる可能性があります。例えば夏シーズンは台風が急に発生したり、冬場は波が高く船が欠航してしまったり。伝泊のスタッフも、奄美大島へ日帰りする予定が夕方のフェリーが天候不良で欠航になったため、加計呂麻島へその日は1泊し、翌日の朝に帰るという旅程になった経験が。

食料・飲料を余分に購入したり、急な雨に備えて雨具を持っていったり、もしもの停電の時に懐中電灯・モバイルバッテリーを使えるようにしておいたり。もしもの場合に備えて準備しておくと心強いです。

hint⑩災害時の避難情報を知っておく

万が一の災害時に備えて、避難情報を確認しておきましょう。下記の瀬戸内町HPから、ハザードマップや避難場所一覧を確認できます。
防災 / 瀬戸内町HP

Wi-Fi編

hint⑪電波が入らないエリアがあることを知る

加計呂麻島は、生活のすぐそばに自然があるため、スマートフォン・携帯電話の電波が入りづらい場所が多々あります。「電波が入らない…」と不安になるかもしれませんが、せっかくなら通信環境が整備された日本国内で自然にスマートフォンを手放せる「デジタルデトックス」を楽しむのもおすすめです。

電波が入りづらい場所へ旅行することを、ご家族やご友人に伝えておくこともおすすめします。なお、比較的、ドコモは通信環境が良い傾向があります。伝泊の宿にはWi-Fiが設置されていますので、ご安心ください。

自然豊かな加計呂麻島を守る、約束ごと

虫や生物と「ともに過ごす」気持ちを大切にする

自然豊かな加計呂麻島には多種多様な虫が生息しています。伝泊では環境への影響を配慮し、過度な薬品類を散布する殺虫対策は行っていません。
ただし、虫が多い環境ではありますので、気になる方は普段お使いの虫よけスプレーのご用意をお忘れなく。

また、夜間は草むらにハブが隠れている可能性があります。懐中電灯で照らしながら、道の真ん中を歩くなどご注意ください。

運転に注意

加計呂麻島の魅力はその自然の豊かさ。そのため、自然に沿った山道や坂道が多くあります。
カーブが連続する道や、舗装が不十分な山道、石ころや小枝などが散乱している道もあるため、スピードを落とし、慎重に運転してください。

また、海岸沿いの道は美しい海がどこまでも続きます。その美しさに見惚れて不注意運転から事故につながるケースもあります。
海を眺めたい時は必ず車から降りて、交通ルールを順守しましょう。


まとめ:加計呂麻島を豊かにするには事前準備と心構えが大切

加計呂麻島は、豊かな自然と穏やかな島の暮らしを体験できる特別な場所です。この記事で紹介した情報を参考に、十分な準備をして島旅に臨めば、きっと素晴らしい思い出になるでしょう。

島の魅力を存分に味わいながら、自然と共生する島の生活を尊重する気持ちを忘れずに。加計呂麻島での特別な時間をお楽しみください!