vol.5 季節の味 「純黒糖」

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“Amami”はイタリア語で「私を愛して」という意味。
そう、奄美には愛さずにはいられない魅力が溢れています。
自然、食、人etc.、愛すべき奄美の魅力を島人の目線でお届けします。

 

12月が来ると思い出すのが「黒糖づくり」。
黒糖は通年あるんじゃ?と思われますが、
お店でよく見る黒糖は、だいたいざらめ等が入っている
加工した黒糖。この時期から春にかけては、特に、風味・うま味の強い
さとうきび汁100%の黒糖「純黒糖」が作られます。
今回、徳之島の中でも人気の高い「純黒糖」を作る、
伊仙町犬田布集落にある徳南製糖をご紹介します。

徳南製糖では、12月から4月に収穫されるさとうきびを、
新鮮な状態ですぐに絞り、製糖します。
さとうきびは、伊仙町内の契約農家で、丁寧に一本一本手で刈られ、
黒糖づくりも、絞る人、煮詰めて攪拌する人など、ほとんどが手作業。
そのため、製造量も限定されているほか、ほとんどが焼酎やかりんとうなどの
加工工場に送られるため、黒糖として食べられるのは、ほんのわずか。
昨年は、5月末に買いに行くと、もう残っておらず、また来年。。
という悔しい思いをしました。。。

写真は、2018年3月と12月に撮影されたものです。
契約農家と製糖工場を見学させていただきました。


伊仙町内の契約農家のさとうきび畑。
夏の台風の影響を受けた。

 


さとうきびを刈る。
機械で刈ると、さとうきびの下の部分までは刈ることが出来ない。

 


刈ったさとうきびを集める。

 


集められたさとうきびの葉を削ぐ。

 


葉を削いださとうきびをまとめる。

 


出荷前のさとうきび。
刈ると水分が抜けてしまうため、すぐに出荷される。

 


製糖工場に運ばれたさとうきび。

 


さとうきびを絞る。

 


絞りカスも煮詰めるための火の燃料として
使われる。

 


薪や絞りカスで燃やす。

 


3段階の釜があり、アクを取りながら
煮詰めていく。

 


ほとんど透明だった汁が、火を入れることで
茶色くなる。

 


ねっとりと重くなった黒糖を少しずつ冷まし、
固まらせる。

 


平たく伸ばし、ころころとまとめた黒糖。
出来た黒糖は、さとうきびのおよそ1/10の量になる。

 


工場は甘い匂いが漂う。

 


パッケージされた黒糖。
量や形の違いによってパッケージが分かれている。

 


仕事終わりの徳南製糖の方々。

 

風味・うま味の中に、ほんのり苦みのある黒糖。
この時期にしか食べられない徳之島の味をぜひお試しください◎

徳南製糖(とくなんせいとう)
■住所
〒891-8327
鹿児島県大島郡伊仙町犬田布624
■電話
0997-86-9010
■営業時間
8:00-18:00

【プロフィール】 加川 京
徳之島亀津生まれ。
現在、伊仙町の地域おこし協力隊として活動中。
主な活動は眠っている徳之島の古い写真を掘り起こし、
写真展などのイベントを企画。
祖父の代から代々徳之島の写真を撮っている。