伝統的建築
宿泊していただく建物は、50年以上経った奄美大島の伝統的な建築です。
私たちが考える伝統的建築とは、どのようなものかを七つに分けてご紹介いたします。
奄美における伝統的建築の7つの条件
1. 台風対策の珊瑚石や生垣や防風林
敷地の周りは、強風に耐えるための塀が設けられています。昔は、珊瑚石や生垣・防風林が集落の建物一軒一軒を囲んでいました。
2.分散型の配置計画
敷地内に、母屋と家畜小屋、納屋などが別棟で配置されており、奄美の特徴的な高倉が現存する家もあります。井戸も必ず設けられています。
3.平屋で入母屋の屋根形状
風が強いこと、建築技術があまり発達しなかったことから、平屋が多く見られます。屋根の形は、高倉から派生した入母屋造りや寄棟造りが多いです。
4.高床
東南アジア地域特有の高床式が多く見られます。高床とすることで、湿気対策、および台風の風を通過させ、建物が倒れないようにしています。
5.ヒキモン構造
束石の上に乗せただけの柱が土台を貫通して梁まで伸びている「ヒキモン構造」が多く見られます。こちらも奄美特有の台風対策です。
6.独特の平面計画
母屋ではメインの部屋(オモテ)は外廊下が囲まれています。玄関近くにある台所は土間が多く、半屋外の作業場でもありました。
7.奄美の材料
柱や梁は曲がった材料をうまく利用しています。屋根は茅ぶきでしたが、トタン屋根に葺きなおされており、清めのため庭に珊瑚石や海砂を敷き詰めた家もあります。